医療法人健光会
旭川ペインクリニック病院

帯状疱疹

帯状疱疹とペインクリニック

からだの一定の部位がズキズキと痛みだし、前後して赤い水ぶくれがポツポツと出現し、時に一面にベッタリと広がる、これが帯状疱疹の典型的な発症パターンです。帯状疱疹はもともと子供の頃に患った水ぼうそうのウイルスが神経の根元に潜んでいて体の抵抗力が衰えたときに暴れ出して発症します。

帯状疱疹は体幹(胸、お腹、背中)に出ることが多いですが、顔面や頭頚部や腕や足に出ることがあります。その場合は時に顔面まひや手のまひ、足のまひを伴うこともあります。このように帯状疱疹は単に皮膚の病気として片付けることのできない側面をもっているのです。

ペインクリニックでの治療は抗ウイルス薬や痛み止めなどの内服薬による治療と、発症部位に応じた神経ブロックによる治療を行い、神経と皮膚のダメージを最小限に抑えそして回復を促すことが基本です。さらに弱った体力を回復させるため、休養、安静も必要です。

皮膚が治っても痛み残る場合を帯状疱疹後神経痛といい、治ゆが難しい状態になります。早めにペインクリニックで神経ブロックなどの治療を受けた時は帯状疱疹後神経痛になることは少ないのですが、残念ながら痛みを残してしまってもあきらめずに神経ブロックを行い神経の回復を待つことや薬物治療など総合的に治療を続けることが大切です。

帯状疱疹の予防接種(ワクチン接種)

成人の9割以上の人は、このウイルス(水ぼうそうウイルス)が体内に潜伏しているとされ、50歳以上になると発症率が高くなります。80歳までには約3人に1人が帯状疱疹を経験すると言われています。

帯状疱疹の予防には、日頃からの体調管理と十分な休養が大切ですが、特に50歳以上の方に対しては、予防接種(ワクチン接種)が有効とされています。ワクチン接種により、発症そのものを防ぐだけでなく、重症化や「帯状疱疹後神経痛」の予防にもつながることがわかっています。

現在、日本で使用できる帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があり、それぞれ効果の持続期間や接種回数が異なります。体調や既往歴に応じて、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。

また、帯状疱疹ワクチンは、自治体によって助成制度が設けられていることがあります。接種をご希望の方は、お住まいの地域の制度についても確認しておくと安心です。

当院では、2種類の帯状疱疹ワクチンの接種を行っております。50歳以上の方でも、基礎疾患などにより接種ができない場合や注意が必要なケースもありますので、ご希望の方は事前にご相談ください。