臨床検査部では、医師の指示に基づき、病気の原因を調べたり治療の効果を確認するために、さまざまな検査を行っています。
当院では、特に「痛み」や「しびれ」に関する検査を多く実施していることが特徴です。これらの検査を通じて、より正確な診断と効果的な治療につなげています。
また、検査は日本臨床神経生理学会が認定している試験・審査に合格した専門技術師が担当しており、高い専門性と安心できる体制のもとで実施しています。
神経伝導検査 (NCS)
手足の痛みやしびれは、末梢神経の異常によって起こることがあります。当院では末梢神経の状態を調べるために神経伝導検査を行っています。
皮膚の上から神経に軽い電気刺激を与え、その信号がどのように伝わるかを記録します。神経に異常がある場合、信号の伝わる速さが遅くなったり、波の大きさが小さくなったりします。
電気刺激の際に「ビリッ」とした痛みを感じることがありますが、身体に害はありませんのでご安心ください。
検査は手足の数か所に機械をあてて行います。 検査時間はおよそ45~60分です。
なお、ペースメーカーや埋込み型除細動器を使用されている方は、機器に影響を及ぼす可能性があるため、必ず事前にお知らせください。
神経伝導検査は、以下のような病気が疑われるときに行います。
手のしびれ:手根管症候群、肘部管症候群 など
足のしびれ:腓骨神経障害、糖尿病性神経障害 など
体性感覚誘発電位 (SEP)
体性感覚誘発電位(SEP)検査では、手首や足首に軽い電気刺激を与え、その信号が脊髄や脳へどのように伝わるかを記録します。これにより、手足から末梢神経、脊髄、脳に至るまでの感覚神経に異常がないかを調べることができます。
検査の際は、頭や腰など感覚神経の経路に沿って記録用の電極を装着します。検査中はベッドに横になり、目を閉じてリラックスした状態で受けていただきます。電気刺激は弱く、眠ってしまう方もいらっしゃるほどですのでご安心ください。
検査時間はおよそ60分です。頭皮に電極を装着するため、検査後に髪型が乱れることがあります。必要に応じて、くしや整髪料をご持参ください。
また、ペースメーカーや埋込み型除細動器を使用されている方は、機器に影響を及ぼす可能性があるため、必ず事前にお知らせください。
体性感覚誘発電位(SEP)検査は、以下のような病気が疑われるときに行います。
頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、神経根症 など
電流知覚閾値 (CPT)
電流知覚閾値(CPT)検査は、皮膚に電極を装着し、電気刺激を少しずつ強くしていき、刺激を感じる最小の電流値を調べる検査です。これにより、感覚障害の重症度や治療による回復の程度を客観的に評価することができます。
検査は椅子に座って行いますが、電極を装着する部位によってはベッドで横になって行う場合もあります。電気刺激を繰り返し行い、「わかる」または「わからない」で検査用のボタンを押していただきます。ご高齢の方など、ボタン操作が難しい場合は口頭でお答えいただくこともあります。
検査時間はおよそ30~45分です。
電流知覚閾値(CPT)検査は、以下のような病気が疑われるときに行われます。
帯状疱疹後神経痛 など
関節エコー検査
関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、あちこちの関節に炎症を起こし、腫れて痛みのでる病気です。
関節リウマチが疑われた患者さんには、血液検査を行い炎症や免疫異常の有無と程度を調べますが、それに加えて
当院では関節の腫れ具合を見るためにエコー検査を行っています。
超音波を発生させる機器(プローブ)を皮膚の上からあて、体内をモニターでみます。
関節リウマチになると、関節の「滑膜」という組織が厚くなったり、「滑膜」内の血流が増えてしまいます。
皮膚の上にゼリーをつけて機器をあてるだけで、被ばくなどの心配もなく、痛みもありません。
機器(プローブ)を両手30か所程度にあてて観察しますので、検査時間は30~45分ほどかかります。
リウマチエコーの他に、医師による肩関節や膝関節、肘関節のエコーも行っています。肩の痛みでは「腱板断裂」や「石灰沈着性肩関節炎」、膝の痛みでは「関節水腫」や「半月板損傷」、肘の痛みでは「テニス肘」などの診断を行っており、エコー機器は4台をそろえ、エコー下ブロック注射にも使用しています。
また、痛みが強い場合や、痛みがなかなか治らない場合は、MRI撮影による詳しい検査を行う事もできます。



