リハビリテーションの語源は「re(再び)」と「Habilis(適する、ふさわしい)」が組み合わさってできたと言われています。そのため、「人間らしく生きる」「その人らしく生きる」状態を取り戻す全ての活動がリハビリテーションだと言えます。
リハビリと聞くと病気やケガによって失われた身体機能やダメージを回復するための訓練をイメージしがちですが、単に機能を回復させるだけでは十分とは言えません。その人らしく生きるためには「腕が上がるようになった」「痛みが楽になった」という機能面の改善だけでなく、心の健康や職場への復帰に向けた支援、外出手段の確保、必要な補助具の検討など、全ての手段が必要となってきます。
- リハビリ室全景
- リハビリ室全景
- リハビリ設備:日本メディックス スリングセラピーベッド Mobira
- リハビリ設備:レッドコード
- リハビリ設備:ミナト医科学 乾式ホットパック MHR-4
- リハビリ設備:酒井医療 低周波治療器 AlterStim
- リハビリ設備:伊藤超短波 干渉電流型低周波治療器 ES-5000
- リハビリ設備:伊藤超短波 超音波治療器 UST-770
- リハビリ設備:超音波画像診断装置 SonoSite M-Turbo
当院では、痛みのリハビリテーション(以下、リハビリ)に力を入れています。
痛みの原因は様々です。たとえば、怪我などの外傷で起こる痛み、怪我が治ったにも拘わらず残っている痛み、神経の病気から生じる痛み、仕事や人間関係のストレスから引き起こされる痛みなどがあります。これらの痛みが原因で、体を思うように動かせない、日常生活の動作が出来ないなど、生活の質が低下してしまいます。これらの問題に対して原因を探索し、最も適したリハビリを実施しています。
痛みはその時期により、急性痛と慢性疼痛に分けられ、リハビリのアプローチも異なってきます。
急性痛は組織損傷が原因で生じる生体の警告信号です。明らかな損傷組織を伴い、通常は治癒期間内で改善していきます。この時期には徒手療法、物理療法(寒冷療法、電気刺激療法、超音波療法など)や適切な運動療法(または運動指導)が適応となります。
一方で慢性疼痛は、3か月以上たっても持続している、または通常の治癒期間を超えて持続する痛みと定義されています。慢性疼痛の場合、組織損傷が明らかでなく、通常痛みと感じない程度の痛みでも痛みとして表現されることがあります。この場合、痛みに対する過剰な恐怖心や痛い部分の不活動、心理社会的な要因(ストレスや家庭環境など)をはじめとする様々な要因が複雑に組み合わさって起こると言われています。この場合のリハビリは、痛みのとらえ方を良好に変化させるための認知行動療法、疼痛教育、主体的な運動療法などが適応となっていきます。
変形性関節症や脊椎疾患(腰痛、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症等)などの運動器疾患や、末梢神経障害や複合性局所疼痛症候群などの神経疾患、肺炎などの呼吸器疾患のリハビリを行っています。
様々な痛みを伴う疾患に対応するとともに、安静・不動を起因とした痛みに対してもリハビリを行っています。
疾患特性を考慮し、各種検査・評価から得られたデータをもとに、個人に合わせたリハビリを実施します。
運動器疾患に対しては一般的な、関節可動域訓練や筋力訓練に加え、マニピュレーションやfasciaリリースなどの専門的アプローチによる関節運動・筋機能の回復を目指したリハビリを実施しています。また、スリングセラピーベッドを使い、スリングエクササイズやリラクセーション、自重負荷トレーニングなどの運動を行います。
スポーツ障害に対してフォームチェックや運動指導、テーピング指導を行います。
脳血管疾患や神経疾患に対しては、低周波治療器や干渉波治療器などの物理療法を併用した運動療法、基本動作訓練や歩行訓練、また、脳卒中後などで痙縮により筋肉が固くなった手足に対し、ボトックス治療を併用したリハビリを行っています。
上記の様々な疾患を経て慢性疼痛に移行した可能性が高いと判断された場合には、一般的なリハビリテーションに加え、個人に合わせた運動の指導や認知行動療法を実施しています。その際、補助的に『いきいきリハビリノート』*を用いて日々の運動や思考を記録し、疼痛の自己管理を促進していく事もできます。当院は、いきいきリハビリノートの実施施設として登録されています。
*いきいきリハビリノートは、運動療法と認知行動療法を併用するためのツールとして2014年から開発されました。ノートの詳細については、運動器疼痛学会のHPをご参照ください。
https://www.jamp.so/rehabilitation/
肺炎などの呼吸器疾患は入院での対応となりますが、排痰や呼吸法練習などの呼吸療法、治療による安静で低下した体力を回復させる為の体操や歩行訓練を行います。
理学療法士4名、作業療法士1名が在籍し、入院及び外来(1回約40分)のリハビリを個別担当制で行っています。
- ・日本理学療法士協会
- ・日本作業療法士協会
- ・日本ペインリハビリテーション学会
- ・日本運動器疼痛学会
- ・日本運動器理学療法学会
- ・日本筋骨格系徒手理学療法研究会
- ・日本徒手療法学会
- ・登録理学療法士
- ・認定理学療法士(徒手理学療法)
- ・住環境福祉コーディネーター(2級)
- ・パリスアプローチ
(St.Augustine大学カリキュラム 全7コース/Clinical Education修了)
- ・Redcord Neurac 1
- ・ICLS(日本救急医学会)コース修了
- ・運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
- ・脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)
- ・廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)
- ・呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
※当院の外来リハビリでは要介護被保険者の患者様に対応したリハビリは行っていません
※クリックで拡大します